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Sep 10, 2020

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カンボジアのNPO/NGOインタビュー第2弾!〜認定NPO法人IVY〜

今回は認定NPO法人IVY(アイビー)さんをご紹介させていただきます!

1994年からIVYさんの海外協力の担当で、現在は事務局長を務めていらっしゃる安達 三千代(あだちみちよ)さんにお話を伺いました。

その中から一部を質問形式で抜粋いたしましたので、是非最後までご覧ください!!


【認定NPO法人IVYとは】


東北の山形県山形市に本部を置く認定NPO法人 IVY。

タイ国境のカオイダン難民キャンプへスタディーツアーに行ったことがきっかけで、1991年12月8日に設立。

『その時々のニーズに、きめ細やかに、柔軟に、対応する』をモットーに、個人とコミュニティの自立のために、国内外問わず多くの国や地域で事業を展開している。

現在までに、日本・カンボジア・フィリピン・東ティモール・イラク・バングラデシュ・シリアでの活動経験を持つ。
特にカンボジアでは、農村部の貧困削減やIVY直属の青年組織のIVY youth(アイビーユース)が教育支援などを行っている。



[取材相手:安達 三千代/ Michiyo Adachi]



同志社大学文学部卒業後、京都市でのOL生活を経て、85年に結婚のため山形県山辺町へ。94年から特定非営利活動法人(NPO法人)・国際ボランティアセンター山形(IVY)の活動に携わり、99年4月から事務局長として勤務している。



Q:「難民キャンプを機に立ち上がったとHPには記載がありましたが、設立の経緯をもう少し詳しくお聞きしたいです!」


私は当時立ち上げのメンバーではなかったんです。
東京に日本国際ボランティアセンター(JVC)というところがあって、1991年にJVCの会員だった山形県民がちょうど2人いたんです。最初はお互い知らなかったんですけどそこで引き合わされて、「自分たちの周りの人を誘って難民キャンプのスタディーツアーに行かないか」という話になったそうです。
それから、総勢10人でカオイダンの難民キャンプにスタディーツアーに行ったというのがそもそもの始まりです。
帰国後、「飛行機で7時間くらいのところにこういう難民キャンプもあって、全然違う世界があるんだ」ということにメンバーたちが感銘を受けたそうです。それで『地方からもできることあるんじゃないか』ということをきっかけに立ち上げたと聞いています。



Q:「当時から持つ活動に対しての軸はどんなものですか?」


『足元を見て世界も見る、Think Globally, Act Locally』ですかね。

当時よく言われていた、その標語を両方とも実践していこうというのがモットーでした。
なので地元では定住外国人の支援をさせてもらい、離れたところではカンボジアの支援をさせていただこうということになりました。



Q:「活動初期のカンボジアではどんなことを?」


カンボジアの歴史はご存じだと思うんですけど、91年には様々な機関の設立が始まっていて、難民キャンプがだんだん縮小されててみんな故郷に戻り始めてたんですよね。
なので、キャンプの支援にはもう遅いと。カンボジア国内は復興フェーズだったので、復興ということで孤児院の支援をすることになりました。
当時、第1孤児院から第4孤児院までだったと思うんですけど、プノンペン市立の孤児院ができてたんです。
私たちが最初に支援させてもらうことになったのが第4孤児院。
孤児が100人くらいいたのですが、そこで支援させてもらうことになりました。




Q:「孤児院での支援はどのように進めていったのですか?」


現場でボランティアをやっていたカンボジア人や日本人がいて、協力しながら進めていきました。
最初は日本でボランティアの方々を探して、子どもたちとそこで遊んだりしていたんです。ですが、それを続けて3年ほど経ったとき、もう少し組織的な支援が必要なんじゃないかという話になりました。
それから助成金を探すようになって、郵政省の国際ボランティア貯金というのがあったので、そちらを頂いて活動資金に致しました。
日本人駐在員やスタッフの募集をかけ、施設の整備や給食の支援、教育の支援や生活の整備など様々なことをやっていきましたね。
運営しているのはプノンペン市であり公設だったので、周りからサポートという立場でしたが、このような形で進めていました。



Q:「金銭面でのやりくりで当初から今までで意識していることは?」


実績を積んでいくしかないんですよね。真面目にコツコツと。

今でも苦労していますが、助成金がだんだん大きくなってきているので、だいぶカバーされてきてはいます。

また、以前は1つの募金組織もあったんです。理事の1人が会社の役員だったので、職員の人たちに1か月500円のコーヒー1杯運動というのをしてもらって。

月にコーヒー1杯分を節約してもらって、それを集めるというもので。

あとバザーとかもやりました。そういうので自己資金というのを作っていたんですよね。

ただ、先行投資をしなきゃいけないじゃないですか。実績を積むにしても。ですので、やっぱりそういうお金を集めるのってちょっとひと工夫しなきゃいけないですよね。




Q:「カンボジアの農業での支援は、何も知識がないところから現地の方々と一緒に創りあげていったのですか?」


そうです。いつもうちは出たとこ勝負なんですけど、ニーズが先なんです。

孤児院にホームレスの親子が増え始めて、ある日その親子が孤児院から100人くらいバサック川の中洲に移されたんですよね。その時には、政府から放り出されたみたいな感じになってしまっていました。食べる物を作らなきゃいけないということになって、それで農業だろうと。

でも私たちは農業を全然できない。だけど、「あ、いい先生いるじゃないか」と地元山形の農家の人たちを連れて行ったんです。

このように、自分たちでできないことは助けを乞う。自分たちだけでは何もできないけど、周りの人に声をかけて協力してもらう。非営利の良いところですよね。


農家の人たちはタイにも繋がりがある人たちだったから、タイの農民の人たちが入ってくれたりもして。タイの農業は日本の農業とはちょっと違う(タイでは熱帯農業が行われている)。じゃあ他のタイの友人も連れていこうということになって、熱帯農業の知見も活かしながら進めていったという感じです。



Q:「IVY youthさんが自作の算数ドリルを寄付したとありましたが、どうやって作られたんですか?」


研究したんです、カンボジアの算数の教科書を小学1年生から6年生まで。学校で使ってもらうためにカリキュラム通りにドリルを作って、それをカンボジア人留学生に協力を仰いで翻訳してもらってました。


1度、翻訳者が見つからないときがあって、ネットの翻訳機能を使ってやったらしいんです。
そしたら誤訳だらけで、小学校の先生からすごい大ブーイングを受けちゃったことがあったそうです。教育者である先生たちは言い回しとか文法に気を遣っていて、けっこう指摘されて。

そこでyouthが改めて気付いたのは、ボランティアといえども提供するサービスのクオリティには手を抜いちゃいけないってことです。教室を建てるならトイレと手洗い場、そして車椅子の子のための手すりやスロープも配慮する。提供するサービスのクオリティは本当に大切です。



Q:「コロナの影響で変化したことは何ですか?」


活動は結構大変です。1つは現地での活動が色々制約を受けているということ。もう1つは、日本人の駐在を引き上げる傾向があること。やはり、基本的には皆リモートでやっています。毎朝9時とかにオンラインでやりとりしてますね。
現地でもいろんな活動地があってリモートの可能性はあるので、それが開発されたのは良かった点だと思う。

ただそろそろ限界が見え始めています。
4月からリモートになったので、もう5か月になりますよね。そろそろ(現地に)行かないと、というふうになっているので出動の準備が始まっています。だからリモートにも限度があるなと感じているところです。


また一方では、コロナによって感染予防対策などの対応分野の事業がまた開けてきているというのもあります。海外の事業地(バングラデッシュ)でそのための意識啓発について私たちも経験積ませてもらえるようになったということですね。



Q:「とても内容の濃いインタビューをさせていただき本当にありがとうございました。最後に、安達さんがIVYで活動してきて良かったことを教えてください!」


大変なことは多いけど、積み上げてきているものが見えるというところにとても充実感を感じています。また、色んな方に出会えるし、自分の価値観をあちこちひっくり返されてるような体験もするので、それはそれで面白くて良かったかなと思います。




【編集後記】


現地に行ってニーズを考え、たくさんの人を巻き込みながら一緒に解決していく。IVYさんが30年近く活動を継続されている、根本的な理由を感じられるインタビューとなりました。

認定NPO法人IVYの安達さん、インタビューのご協力誠にありがとうございました!


1991年設立

代表理事:枝松 直樹 / Naoki Edamatsu


活動概要

・カンボジア農村支援

・IVY youth(学生支部)

・シリア,イラク難民,避難民支援

・ミャンマー避難民支援

・国際理解と環境教育

・外国出身者サポート

など。

HP: http://ivyivy.org/

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