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May 28, 2024

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オンライン教育プロジェクト『KnowRich,』と、Follow Your HEARTの今後の展望について

皆さんこんにちは。

NPO法人Follow Your HEART代表の齊藤です。

この度、Follow Your HEARTはタイトルにもある通り、団体創立時より進めておりました『KnowRich,』プロジェクトを、当面の間ストップさせていただくことになりました。


まずは、3年半前のクラウドファンディングでご支援くださっていた皆様や、KnowRich,プロジェクトを通じてご支援・応援をしてくださっていた皆様にお詫び申し上げます。

創立して半年や1~2年の団体に対して、人や組織に対するご支援のお気持ちも多かったかと思いますが、KnowRich,プロジェクトそのものに共感をしてくださったお気持ちも同等にいただけていたかと思います。

そのご共感に対してこのような形になってしまい、不甲斐ない気持ちでいっぱいです。

本来であればご支援くださっていた皆様にお一人ずつ対面でお話させていただくことかと思いますが、この場を借りてご報告させていただければと思います。

本記事では、『KnowRich,』のこれまでの経緯と、Follow Your HEARTの今後の展望についてお伝えできればと思います。

長文にはなりますが、最後までご一読いただけますと大変嬉しいです。




■目次


1:目指していたことと、プロジェクトの経緯

2:代表の齊藤が大切にしている考え方

3:いま目指していること





1:目指していたことと、プロジェクトの経緯


創立当初から昨年まで、弊団体で目指していたのは分かりやすくいうと「カンボジア版スタディサプリ」です。

カンボジアに住む全ての高校生・中学生・小学生が、オンライン上で受験科目を学ぶことができるオンラインプラットフォーム。これが1番の特徴でした。


KnowRich,では、その特徴に加え


①カンボジア人の大学生がオンライン講師となること

②カンボジア人の大学教授/専門学校の先生がアドバイザーとなり、オンライン講師に指導すること

③生徒の疑問点を講師が直接教えることができる個別面談の場を提供すること

④受験科目だけではなく、体育や音楽、理科の実験など、机上で学ぶ受験科目以外の情操教育の教科も学べるようなプラットフォームを作ること


というような構想もしてプロジェクトを進めておりました。


さらに詳しい内容は下記の資料をご覧いただけますと幸いです。

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*1:当時、協力者を募る際に使用していたプレゼン資料 KnowRich,について視覚的に1番分かりやすい資料)

*2:2021年度の活動報告書 当時のモデルケース提携校やオリエンテーション実施などの経過報告をさせていただいている資料)

*3:2022年度の活動報告書 授業撮影や講師・アドバイザーとのフィードバック会などの経過報告をさせていただいている資料)

*4:2022年10月~2023年5月までに内部で検討していたプロジェクト施策・改善案 2022年9月時点で考えていた、それ以降の施策案)

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このように、3年ほどの時間をかけて実行し、改善も図っておりましたが、KnowRich,プロジェクト自体で事業収益をあげていくようなモデルを作っていくことはできませんでした。

また、2022年の8月頃にメンバー内で話し合い、KnowRich,と並行して元々構想していたオンラインでの情操教育をオフラインでスタートさせることになり、絵の具を使った美術のワークショップを開催するようになりました。





②代表の齊藤が大切にしている考え方


ここまでお読みくださった方の中には「計画を練り直しながらも進められていたのになぜ辞めてしまうの?」「もったいないのでは?」と感じた方も中にはいらっしゃるかもしれません。

それでもストップさせた理由は、大きく2つです。


1つ目はシンプルに、収益を上げられるプロジェクトになっていなかったこと。カンボジア国内の教育格差を埋めるプロジェクトだからと、経済的に恵まれていない子どもたちへ届けることを優先していました。カンボジアも資本主義の中で動いている社会なので当然ではありますが、経済的に恵まれていればその分、様々な面で充実した教育環境は整いやすいです。だからこそ、非収益事業としてやっていくことがカンボジアという国や社会を変えられることに繋がると考えて推進していました。

そのため、クラウドファンディングや助成金申請などに奔走していた時期もありました。

しかし、人件費すらままらない状態で進めていたことで、一緒にやっていたメンバーには結果的に無理をさせてしまっていました。


2つ目は、代表の私自身がプロジェクトを遂行していく中で、オンラインで自由に学べる環境よりも、オフラインで友達や仲間たちと学び合える環境を作っていくことに価値を感じ始めるようになったことです。

もちろん、オンラインで時間や場所の制限がなく学べる環境自体は素晴らしいものだと思います。しかし、オンラインコンテンツを自分ひとりで受講し授業を進めていくのは、それ相応の強い意志や目的などがないと続けることは難しい。特に、EdTechや自宅学習が日本ほど根付いていないカンボジアであれば尚更です。


教育という分野の中でも、「生まれ育った環境や場所が大きく異なる」人同士や、普段触れることがほとんどないコンテンツによって感じられる「新しい体験」。自分で何かを表現し協働性を持って伝え合っていくこと。そこから得た学びがいつか、ポジティブに社会を動かしていくきっかけになる。そんな分野や教育観を持ってプロジェクトを開発し、世の中に貢献していきたい。そう思うようになりました。




③いま目指していること


改めてにはなりますが、弊団体は現在、『生まれた場所や環境に限らず、誰もが挑戦できる社会を創る』というビジョンと、『新しい体験の提供・選択肢の提供』というミッション持って活動しています。


カンボジアの小学校では約50年前の歴史的な影響が大きく、美術や音楽・体育など、いわゆる情操教育と言われている教科はほとんど授業がありません。

そこで私たちは、昨年の3月から『アートを通じた情操教育』プロジェクトを推進しています。

3月と7月に2回、カンボジアの首都プノンペンにあるフリースクールの愛センターと連携し、ワークショップを開催しました。


1回目は、絵の具をほとんど使ったことがない小学生30人と中高生5人に対して実施しました。

「なんのテーマもなく自由に書かせると、太陽・家・草原などの決まった絵になることが多い」ことが事前にわかったため、

“動物の足跡”というテーマで制限を持たせつつ、好きな動物を自由に発想して新しい考えを持って描けるようなワークショップ設計をしました。



2回目は、『子どもたちが普段経験することのない大きなシャボン玉を作って遊ぶ体験と、その体験を絵で表現する』というテーマで開催いたしました。


1回目は個々に絵を描く形式でしたが、2回目では他のメンバーと協力し合う設計にするため、グループワークを導入しました。絵を描く際は同年代の仲間たちとグループを組み、大きなシャボン玉作り体験をテーマに自由に描いてもらいました。

低学年の子どもたちは自分のアイデアを自由に描いていて、グループとして1つの絵を完成させることは難しかったですが、高学年の子どもたちはアイデアを共有し合い、全体像を把握してから絵を完成させたグループもあり、学年ごとのアプローチの違いがワークショップ内で見受けられました。


このような活動の結果、愛センターでは元々無かった美術の授業が週1回のペースで定期的に開催されるようになりました。

今年は、愛センターとは別の、美術や絵の具に触れる機会のない別の子どもたちが集まる場所でワークショップを開催しようと思っています。


また、日本の大学生向けのスタディツアーなどの新規プロジェクトも検討しており、収益事業を作ることでより持続可能な運営体制の構築を図っていく予定です。




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