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Oct 1, 2020

カンボジアのNPO/NGOインタビュー第4弾!〜光語学スクール〜

今回は光語学スクールさんをご紹介させていただきます!

2015年から光語学スクールの運営面などで活動する青木貴之(あおき たかゆき)さんにお話を伺いました。

その中から一部を質問形式で抜粋いたしましたので、是非最後までご覧ください!!


【光語学スクールとは】


日本のNPO小さな光の支援で2007年12月に非営利の語学スクールとしてカンボジアに設立されてから、現地の子どもたちに年齢関係なく学習の機会を提供。

日本語の授業では、基本的なひらがな・カタカナを教える授業から日本能力検定2級を目指せるレベルの授業等まで多岐にわたる。

光語学スクールの理念として、『現地のより多くの人に対して日本語や英語、コンピューター技術を教えて、将来のカンボジアのための人材育成、そしてカンボジアの発展と日本との友好関係を作ること』を掲げている。

現在では首都のプノンペンから、シェムリアップ州やコンポンチャム州にも姉妹校を増やしながら活動を展開している。


対談相手:青木 貴之/  Takayuki Aoki



カンボジア在住の友人に誘われ3年前にカンボジアへ移住。

その後カンボジアで働き光語学スクール代表シンホンさんと出会い、光語学スクールの職員を勤めることになる。

現在では光語学スクールの頼れる事務員さんです。




Q:「光語学スクールさんの詳しい設立の経緯をお聞きしたいです!」


NPO光語学スクール代表のシンホンは以前、日本への留学を経験したり、在日本カンボジア大使の秘書通訳や日本の会社での経験を積んできました。

その際の会社のご縁から、NPO小さな光さんからの支援を受けカンボジアに光語学スクールが設立、その代表がシンホンになり、今に至ります。


姉妹校のひとつにマサキケイコライブラリースクールという学校があるんですが、そこは代表のシンホンが留学生時代に、ある日本のテレビ番組でゲームに勝った外国人が母国で願いをかなえてもらえるという企画がありました。

その企画でシンホンは、『カンボジアには教育が必要だから学校を建てたい!』と挑んだのですが、残念ながら負けてしまいました。

すると、その番組を見ていたマサキケイコさんという方が、代表シンホンに力を貸してくださり学校を建てていただいたという経緯があります。






Q:「カンボジアでの活動は言語の壁が大きく関わると思うのですが、そういった面での苦労はありましたか?」


言語の壁というより、言語じゃないところの壁を感じることがいっぱいありますね。

言語の壁ももちろんあるんですけど、カンボジア人と話していると、言語というよりも、彼らは説明したりするのが苦手だと感じます。つまり国語力。

最初は自分がカンボジア語下手だから伝わらないのかなと思っていたんですけど、そういう問題ではなくて、彼らの国語力が一つの大きな原因でした。


もちろんカンボジアにもインテリの人はたくさんいますが、たくさんいるといっても全体からみたらかなり少数です。

なにかを具体的に説明したりだとか、理由を言ったり、地図を読んだりすることがなかなかできない。そこには今までのカンボジアの教育が関わっていると感じます。

日本語とか英語とか他言語を勉強するのももちろん重要ですけど、カンボジア人に本当に重要なのは自国語だと思います。

彼らには国語、算数、理科、社会のほうが大切なようにも見えます。




Q:「教育に対する考え方の違いが感じられますが、家庭内での教育の重要性は日本とは異なりますか?」


日本とは全く違うと思いますね。

お父さんお母さんが字が書けない家庭も多いですし、そうするとその子どももなかなか勉強についていけないような状態になってしまいます。

例えば日本の普通の家庭だったら、子どもが宿題やっていたらお父さんお母さんが宿題を一緒に見てあげるとか、教えてあげるとかあるじゃないですか。

両親が読み書きできないとそういった手助けをしてあげることもできないので勉強で取り残されたら、そのままなかなか追いつけなくなることも多いんです。





Q:「生徒さんと接する中で、日本の考え方を押し付けないように意識したりしていますか?」


『カンボジアの考え方』というのが全然定まっていないんですよ。

特に「これはカンボジアっぽい」とかもないし、人によって全然違う。

なので、僕はどちらかというと自由にやってます。


ただ、カンボジア人は優しい人が多いので、子どもに注意できないことも多いんです。

とある学級が完全に学級崩壊していた時、先生はすごく優しい先生だったため、子どもに注意することができていなかったので、僕が子どもたちに注意しました。

授業中は席に座っているとか、関係ない子は教室の中に入ってこないとか、当たり前のことがそこからやっとできるようになって、そこの学校はうまくいくようになりました。

なので、おしつけちゃってもいいのかなと思います。それでうまくいくなら。








Q:「コロナの影響も含め、現在の教育状況について教えていただきたいです!」



学校はかなり大変で、アルバイトの先生は一回打ち切って今オンラインの授業や少人数の授業をやっています。

カンボジアの小中学校も今は各家庭に10人以下で集まってそこに先生が巡回して教えることになっているようです。ただ先生の人数も少ないので成り立っていないところも多いと思います。





Q:「生徒さんは卒業後どんな道に進んでいるんですか?



大学に通っている子もいますし、大学1個行ってまた入学したりしている子もいます。

他にもカンボジアの労働省で働いている子や、日系レストランで

マネージャーをしていたりしている子もいましたね。

そういった活躍を見ると、語学を身に着けることで海外の情報を得て、新たな知識が培われると選択の幅が広がっていいな、と改めて思います。

Q:「とても内容の濃いインタビューをさせていただき本当にありがとうございました。最後に、光語学スクール、または青木さんの今後の展望を教えてください!」

A:この語学スクールって普通にやっていたら、どんどん弱くなっていくというか採算が取れなくなっていくんです。なので、大きな支援を受けたり、子ども達がビデオを見たいならテレビとかを寄付してもらったりとか。

そういった支援や寄付をどんどん引っ張ってきたいです。

奨学金などもどこかから引っ張ってきて、学校のクオリティをあげていくことで学校自体を盛り上げていかないとと思います。

私個人の考えとしては、小さな視点ではありますが、やはり非営利で支援を受けていても、湯水のごとく資金がある訳ではないので学校運営に携わるスタッフたちの給料は高くはないです。

私は学校を発展させ、利益を上げないとしても、スタッフにもう少しお給料の配分ができるようにしたいです。

スタッフは学校の為に頑張る。学校はスタッフを養い、勉強の場を提供する。

という感じでこのカンボジアの国で社会の歯車となり活躍していく学校にしたいですね。




【編集後記】


生徒やカンボジアの人たちと真摯に向き合い、教育をツールとして関わった人を通じて未来のカンボジアのためにと活動している光語学スクールさん。

改めて教育の大切さに気づくことができるお話ばかりでした。

インタビューのご協力、誠にありがとうございました!

2007年設立

代表:フン・シンホン/Hun Seanghong



【学校情報】


・( NPO ) 光語学スクール Hikari International School

No.101c, St.36sony, Sangkat Tek Thla, Khan Sen Sok, Phnom Penh


・吉川国際語学スクール Yoshikawa International School

#D11, St.105K2, Sangkat Kakab, Khan Porsenchey, Phnom Penh


・光共立語学スクール Hikari Kyoritsu International School

Thlork Andong Village, Slorkram commune, Siem Reap City, Siem Reap Province, Cambodia


HP: http://www.npo-hikari.org/ 

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